日本特撮映画史・SFヒーロー列伝「好き!すき!!魔女先生」再録
日本特撮映画史・SFヒーロー列伝 第22回「好き!すき!!魔女先生」の巻
構成・池田憲章
つづき
なかなかの好編が「ぼくの弟はロボットだ!!」(脚本・市川森一/監督・佐伯亨治)という第6話で、作文の時間、ケイタローという弟の話を書いた信夫という男の子が主人公となる物語である。
ひかるは、一人っ子のあなたに弟はいないはずと信夫をしかるが、それは手作りで作ったロボットのケイタローのことであった。
去年、弟のケイタローが自動車事故で死に、それ以来、信夫はロボットに弟の名をつけているという話を旗野先生にきき、ひかるは信夫にとてもすまない気がした。
ひかるは、バルに勧められ、役に立つリングの使い方をと、ロボットのケイタローに命を与えたのだった。
ところが、命を持ち始めるや、イタズラばかりするケイタロー、しかも命を奪う魔法は、法律で禁じられている。
困り果てるひかるだが、ケイタローはイタズラノ挙句、車にはねられて、バラバラに砕け散ってしまった!!
泣く泣く家にしょんぼりと帰ってくる信夫をお母さんが出迎えた。お母さんは言う。
今、ケイタローは自分のお腹の中に生まれかわったんだよ、と。
来年の春には、赤ん坊が生まれ、信夫はまたお兄さんになるのである・・・信夫はもうさみしくなかった・・・。
この物語などは、「好き!すき!!魔女先生」の設定をフルに使い、少年の心のさびしさを結晶化させた好編と言えるのではないだろうか・・・。
物語はこのように、東西学園を舞台に、さまざまな少年少女の事件と、それをムーンライト・リングで解決するひかる先生を中心に展開したのだが、第14話「アンドロ仮面登場!」(脚本・辻真先/監督・折田至)から、ひかるがA級監視員として認められ、そのコスチュームをまとい、アンドロ仮面というスーパーヒロインになるに及んで、急激に活劇物へと作品が傾斜していってしまったのである。
それでも、教頭先生がなかなかの男性だと面目を取り戻す第16話「ゴキブリ父ちゃん!怪人レスラーもびっくり」(脚本・辻真先/監督・折田至)、ひかるの父親帝王アンドロメダがひかるを迎えに地球を訪れ、かぐや姫先生ばりに旗野先生、クラスの皆、バルが奮戦して対抗する第17話「恐怖の帝王アンドロメダ来る」(脚本/監督前同)まではよかったのだが、第18話「吸血魔王クモンデス現わる」(脚本・島田真之/監督・田口勝彦)に及んで、人間の血を吸い、それを邪魔する月ひかるを狙う怪人クモンデスの登場となり、作品は完全に変身ヒーロー物の仲間入りをすることとなってしまった。
第19話以降のタイトルを列挙すると、
「怪奇・黒魔術の恐怖」
「恐怖の暗黒魔神」
「呪いの金貨」
「恐怖!ホラ穴の悪魔」
「恐怖の毒薬!地獄の妖女」
「恐怖の黒ピエロ!」
「死刑台のネックレス」
「死なないで!アンドロ仮面」
と、前半のタイトルとは隔世の感がある恐怖路線、「仮面ライダー」「ゲゲゲの鬼太郎」もかくやという世界になり、子供達もクモンデスや怪人達に狙われる存在としてしか、機能していかなくなってしまうのである。
一概に後半はいけないとは言えない部分もあるのだが、やはりこの展開はあやまったのではないか・・・としか思えない。
アンドロ仮面のコスチュームも石森デザインは良いのだが、実際の人間が演ずると、やはり違う・・・というか、キャラクターとして非常にきついマスクとなってしまったのだ!!石森ヒロイン像の中にある「千の目先生」「009の1」「おせん捕物帖」などなど、戦う女性キャラクター像の抜群の展開を知っているだけに無念の一語なのだが、実写の展開では、石森ファンとしては、「キカイダー01」のビジンダーをもって、その映像化の第一号と考えておきたい。
アンドロ仮面は設定的にも中途半端であり、菊容子にアクションをさせてどうなるのか・・・という部分も含め、やはり「かぐや姫先生」というイメージに、この物語の「核」を見いだす方が、より自然な感じがする。
少年少女と触れ合う、どこか不思議なかぐや姫先生・・・あえて、ヒーロー物を配したその前半に、この作品の価値を見いだす方が、より味わいが深まるような気がするのは、はたして筆者のみなのであろうか・・・。
付記
今は亡き菊容子。
26本の作品に残された、僕達の菊容子・・・その死でさえ、悲しみは充分なのに、それ以上、何を語ることがあるだろう。
それ故、その詳細についてはあえてふれようとも思わなかった。知りたい人は、自分で調べて下さいね、ごめん。
ハシラ
月ひかるは、14話からA級監視員となってそのコスチュームをもらう。
ペンダントを左手で頭上にかざし、「アンドロ仮面-!!」と叫ぶと、ペンダントがあいて光り、その光の中で月ひかるは、アンドロ仮面に変身するのだ。マントを手裏剣のようにしてぶつけるブーメラン・マントが必殺武器。
スリットの入っているミニスカートで、とび降りたりすると視聴者はビックリしました。
月ひかるは、石森章太郎デザインをほぼそのまま踏襲するミニスカートや着物が魅力的だった。そのエンディングやアイキャッチを見て判る通り、完全に「千の目先生」のイメージであるのが判る。
もう少しファンタジックな面や超能力物の面を押し出してもよかったような気もするが・・・。
もっとキレイな写真で見せられなくてすみません。このエンディングが良いのです。
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